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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「ビオトープアクアリウム」を解説します。
ビオトープアクアリウムとは、自然環境を忠実に再現したアクアリウムスタイルのこと。
使う素材、泳がせる魚、植生などできるだけ現地を再現することが求められます。
自然環境を再現すると、必ずしも人間の美的感覚に合ったものにならないため、イマイチ日本では普及していませんが面白いレイアウトスタイルです。
しかし、「生息環境の再現」なんて生き物好きならワクワクするワードですよね?
特にお魚をメインで飼育している方と相性の良いスタイルだと思います。
作品例などを交えながら丁寧に解説していきますので、興味のある方はぜひご覧ください。
ビオトープアクアリウムとは「特定の自然環境の再現」に焦点を当てたレイアウトスタイルです。
例えば、アマゾン川支流ネグロ川を題材とするなら、ブラックウォーターで枕水林を作るという具合です。
同じ川を題材にするのでも、流れの緩やかな場所と急な場所では底床の粗さや質、植生、お魚の種類も違いますので、厳密に違う水景と判断されます。
そのため、ミクロの視点で作るレイアウトスタイルと言えるでしょう。
アクアリウムの縛りプレイと勝手に呼んでいます!
本記事で解説に使う画像は「AGAコンテスト ビオトープアクアリウム部門」よりお借りしたものです。
各画像はタップするとコンテストページへ飛びますので、作品の詳細を見ることができます(英語です)。
AGAコンテストとは「Aquatic Gardening Association Contest」の頭文字を取ったもの。
アメリカのAquatic Gardeners Associationが主催する世界で最も長い歴史を持つ国際レイアウトコンテストです。
AGAコンテストへの参加方法をまとめた記事もありますので水槽ができたらぜひ応募してみましょう!
- 可能な限り現地を再現した素材を使う
- 特定の場所に生息しているお魚を泳がす
- 特定の場所に生えている植物を植える
- 同じ生息地域であっても「日陰、日向」「急流、緩流」などによる生き物の変化もしっかりと表現する
- 外来種はNG
- 抽象的なレイアウトはNG
- お掃除屋さんはOK
特定の自然を再現するわけですからレイアウトに使う石、流木はなるべく現地を模したものを使いましょう。
河口付近のマングローブ帯を再現するのに、山からとってきたゴツゴツとした石や、木を使っていたら不自然ですよね?
ビオトープアクアリウムの場合、できる限り現地の雰囲気に合わせて素材を選ぶ必要があります。
泳がせるお魚は実際に生息しているものを選びましょう。
「荒川源流」をテーマに作ったのにアマゾン川原産のエンゼルフィッシュを入れるのはミスマッチです。
お魚と同様、自生しているものを選びましょう。
場所によっては植物が生えていない場所もあります。
石や流木、砂礫などだけでレイアウトしてもOKですよ。
同じ「荒川中流域」というテーマでレイアウトを作るとしても、川をどこで切り取るかによって表情は大きく変わります。
- 流れは緩やか
- 水深が深い
- 比較的細かな砂地
- フナ、ドジョウなどが多い
- 流れが早い
- 水深が浅い
- 比較的大きめの砂利
- オイカワ、ウグイなどが多い
※チャラ瀬とは、水深が浅く流れが急なところ
このように、地形などにより水中環境は大きく変わりますので「中流域」と一口にせず、よりミクロの視点で自然を表現しましょう。
現在、生息しているとしても外来種はNGとされます。
例えば「日本の田園地域の用水路」をテーマにしたレイアウトにカダヤシを泳がすなどですね。
あくまで自然環境の再現ですので、一般的な水草レイアウトである「自然から得たエッセンスを凝縮」したようなレイアウトはNGです。
基本的には表現する水系を細かく決めて、それを忠実に再現しましょう。
- オトシンクルス
- ヤマトヌマエビ
などの「藻類のお掃除屋さん」はOKとされています。
コリドラスなどの残り餌対策チームはNGなので注意しましょう。
どこまで忠実に自然を再現できるか
これに尽きます。
- 降り積もったチリ
- 水の濁り
- 汚泥
場合によってはこれらも表現しちゃうのがビオトープアクアリウムです。
人が見て「綺麗か、そうじゃないか」なんて関係ありません。
作品を作ったらぜひコンテストに参加してみましょう。
こちらのAGAコンテストなら無料で一人何点でも応募可能です。
こちらの記事で応募方法を詳しくご紹介していますので、興味のある方はぜひご参加ください。
ビオトープアクアリウムを作るなら海外サイトで勉強することをおすすめします。
水中写真なんてなかなか無いのですが、海外の愛好家達がそれぞれの国の川、海などの水中写真をアップしてくれているので、とても参考になりますよ。
私が普段よりお世話になっているものをご紹介しますので、興味のある方はぜひご覧ください(英語です)。
名前の通りビオトープアクアリウムのFacebookグループページです。
海外の水中写真を数多く見ることができるので、ただ見ているだけでもインスピレーションが湧きますよ。
こちらもFacebookページ。
ビオトープアクアリウムの作品を数多く紹介しています。
紹介していお魚がマニアックすぎて思わずニヤリとしてしまいますよ。
AGAコンテストのビオトープアクアリウム部門ページ。
皆さんの作品がズラッと並んでいます。
こんな水系あるんだ。。と素直に感心しますよ。
- ダッチアクアリウム
- ネイチャーアクアリウム
- ジオラマレイアウト
などがあります。
どれもレイアウト水槽という括りでは一緒ですが、「美しい水景を作るアプローチ」に違いがありますよ。
ダッチアクアリウムの解説記事をご用意していますのでこちらも合わせてご覧ください。
今回は「ビオトープアクアリウム」を解説しました。
ルールの厳しいレイアウトスタイルなので、厳密に作ろうとすると大変かもしれません。
「自生地のエッセンスを取り入れる」くらいの感覚でいた方が、気持ちの上で楽だと思います。
まずはお魚と水草の産地を合わせてみるところからスタートしてみてはいかがでしょうか?
お魚と水草を合わせるだけでも、かなり雰囲気が出ますよ!
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