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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「水草レイアウトのスタイルとレイアウトのヒント」をご紹介します。
現在、水草レイアウトには様々なスタイルがあります。
私は基本的にはスタイルなんか気にせずに好きにレイアウトを楽しむ派ですが、初めての方は指針が合ったほうが何かとレイアウト制作を進めやすいはずです。
そこで今回は「水草レイアウトの主要なスタイル」「レイアウトのヒント」「レイアウトの設計図」などをご紹介します。
レイアウト表現は感覚的な部分が大きいので、どうしてもお伝えするのが難しいところもあるのですが、なるべく分かりやすく解説していきますのでぜひご覧ください。
一口に水草レイアウトといっても様々なスタイルがあります。
- ネイチャーアクアリウム
- ジオラマ系レイアウト
- ダッチアクアリウム
- ビオトープアクアリウム
- ワイルドアクアリウム
などなど、他にも様々なものがありますがここでは代表的な4つのスタイルをご紹介します。
明確な区別があるわけではないので「ダッチアクアリウムのテイストを盛り込んだネイチャーアクアリウム」「ジオラマレイアウトとネイチャーアクアリウムの中間」などMIXスタイルのレイアウトも多々あります。
「このスタイルが至高!」というものはありませんので固く考えずに自分がより楽しいと感じる方向に素直に進むのが正解。
というのが私の考えです!
いきなりレイアウトを考えるといってもイメージするのが難しいと思いますので、まずはどのようなスタイルがあるか知ると良いでしょう。
ネイチャーアクアリウムとはADA創始者の故天野氏が作り上げたレイアウトスタイルです。
一言で表現すると「自然から学び自然を表現する」レイアウトスタイルです。
自然を模してそのまま水槽の中で表現するというよりは、自然から学んだエッセンスを生かして作品を表現します。
まさに自然を感じさせる作風から水草レイアウトを普及させた一番の立役者です。
現在では最も人気のあるレイアウトスタイルですのでネイチャーアクアリウムを基本にしてその他のスタイルのテイストを盛り込んだ作品も多く見受けられます。
ADAは世界水草レイアウトコンテストを主催しており、毎年たくさんの作品が見られるのも魅力ですね!
こちらのリンクよりコンテスト上位作品を見ることができますので参考までにぜひご覧ください。
僕もネイチャーアクアリウムに感化されて水草レイアウトを始めた一人です!
ジオラマレイアウトは山々の景色や森の中など、陸上風景を水槽に落とし込んだレイアウトスタイルです。
- 流木を切って加工する
- 石を割って加工する
- 素材同士を接着剤で固定する
などなど、素材の加工を前提として制作を進めることから「ジオラマ」と呼ばれるようになったのでしょう。
世界水草レイアウトコンテストの上位入賞作品は基本的に石や流木を切る・接着するなどの加工をしているものがほとんどですので、ジオラマレイアウトの作風は現在の水草レイアウトシーンでは欠かせないものになっています。
雄大な自然を眺めているような作品を目指すことが多いので、水槽をより大きく見せるために
- より小さな水草
- 小型魚の群泳
を選ぶ傾向があります。
自然を間近で見るような作品を目指すならビオトープアクアリウムやワイルドアクアリウムの方が参考になるかもしれません。
石や流木を加工する方法はこちらの記事でまとめてありますので併せてご覧ください。
ジオラマレイアウトで培った接着などの加工テクニックはレイアウトに欠かせないものとなりました!
ダッチアクアリウムとは「水草の配置と成長」に重点を置いたレイアウトスタイルです。
1930頃よりオランダで人気が出始め世界に広がったことからダッチアクアリウムと呼ばれています。
自然というよりは丁寧に管理された花壇のように水草をレイアウトすることから再現性が高いです。
ダッチアクアリウムのコンテストに応募するには厳格なルールを守る必要がありますが、趣味で楽しむ分にはそこまで厳格になる必要はないはずです。
多種多様な水草を楽しめるスタイルですから水草好きの方には響くスタイルですよ!
ダッチアクアリウムの特徴についてはこちらの記事で詳しく解説していますので興味のある方はご覧ください。
1つ1つの水草に真摯に向き合うスタイルです!
ビオトープアクアリウムとは「特定の地域の水景を再現した」レイアウトスタイルです。
↑の作品のように必ずしも水草を使うとは限らず、なるべく自然と同様の姿を表現するのがミソです。
- 水の濁り
- 降り積もったチリ
などなど、一見すると人間の感覚では「美しい」と感じづらいものも水槽で表現します。
玄人向きのスタイルですが現地の水景を再現するのも面白いと思いますよ!
「Biotope Aquarium Design Contest」というビオトープアクアリウムに特化したコンテストもありますので興味のある方は参加するのも面白いでしょう。
ビオトープアクアリウムの特徴についてはこちらの記事で詳しく解説していますので興味のある方はご覧ください。
ビオトープアクアリウムはアクアリウム的にマッチョなスタイルですね!
ワイルドアクアリウムはビオトープアクアリウムと同様に自然界にある水景を水槽で表現するレイアウトスタイルです。
違いはワイルドアクアリウムの方が良い意味で「緩い」こと。
ビオトープアクアリウムでは自然の水景をかなり厳密に再現することが求められますが、ワイルドアクアリウムでは水槽ごとに国や地域など大きなくくりで地域を決めてレイアウトします。
- この水槽は南米
- こっちはタンガニーカ湖
- あっちはインド周辺
このように大きなくくりで水槽をデザインできるのでより手軽に現地の水景を再現した作品を楽しむことができます。
自然をそのまま切り取った形でデザインする方向なので、大胆に大きな葉を持つ水草を配置したり大型魚が似合う水景になりますよ!
魚も水草も楽しみたいならワイルドアクアリウムをお試しください!
- 自然観察
- 世界の風景
- 他の作品
- 映画の風景
などなど、見ていて「こんな感じの雰囲気が好きだなぁ」と感じるものはすべてレイアウト制作のヒントになります。
日頃から水草レイアウトのことを意識するようになれば身の回りにヒントがたくさんあることに気づくはずです!
- 山
- 森
- 沢・川
などなど、自然には水草レイアウトのヒントがたくさんあります。
植物の生え方、石の並び、光の差し込む様子などそのまま水槽で表現してみたくなるはずです。
天気の良い日には散歩がてら自然観察に出かけましょう!
- 世界各地の景勝地
- 世界遺産
- 各国の国立公園
などなど、そのままレイアウトに落とし込めるような風景は世界中にたくさんあります。
世界各地の風景を見ていくと自分の感覚には無い様々な「自然感」があることに気づきます。
時には自分の感覚がガラッと変わるような風景に出会うこともありますので広い視野で探すと良いでしょう。
今ではweb上で簡単に画像検索ができますから幸せな時代ですね!
- IAPLCの公式HP
- 各SNS
などで他の方が作る作品を見るのも良い刺激になります。
風景などとは違って水槽で作られた作品ですからより直接的に水景作りの参考になるはずです。
最初のうちは他の方の作品を真似てレイアウトするとイメージしやすいかもしれません。
SNSならコミュニケーションを取ることもできますので気になる水槽に出会ったら思い切ってコメントしてみるのも良いでしょう。
SNSで「水草レイアウト」「aquascaping」などで検索すると色々と見つかるはずです!
ファンタジー映画などの風景などは水草レイアウトの良いヒントになります。
水槽で作る水草レイアウト自体がどんなに自然と模していたとしても一種のファンタジー作品ですから、意外と近しいものだと私は考えています。
作為的なものになりがちなので好みが分かれるかもしれませんが面白い作品のヒントになるはずです!
ジブリ作品などはまさに参考になるのではないでしょうか!
こちらが上の水槽の設計図です。
簡単なイラストでも良いので「こんな水槽にしよう」というイメージを形にしておくと実際のレイアウトが作業がスムーズに進みます。
「AGAコンテストの各作品ページ」では作者の方が書いたイラストなども確認できるので興味のある方はぜひご覧ください。
絵心のある方に特におすすめの方法です。
思いついた時、忘れないうちに形にしておくと良いでしょう!
本や映画、漫画、ゲームなど気になるフレーズがあったらメモ帳などに控えておきましょう。
「本を読んでいると声が聞こえる、色や風景が見える方」「ホームセンターに行くとゾンビが来たらコレで戦う、脱出経路はこっちとか考えちゃう」など妄想力が豊かな方は同じ感覚でレイアウトのことを考えてみると良いですよ。
イラストよりも抽象的な形になりますが、思いついたアイデアを忘れないうちにメモっておきましょう。
水草レイアウトのイメージを固めるなら無料で使えるオンラインシミュレーター「Scape It」を使うのもおすすめ。
上記の画像のようなものを簡単に作ることができます。
水草レイアウトを作ると言っても初めての方にはなかなかイメージしづらいですよね。
Scape Itならどなたでも簡単に水景デザインの設計図が作れますので、レイアウト制作の前にぜひご利用ください。
Scape Itの使い方などはこちらの記事でご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
- 世界観
- キャラクター
- 物語
こちらの3つを詰めて考えていくのが映画や小説を作る際の考え方なんだそうです。
なんの本で読んだか忘れてしまいましたが、、
水草レイアウト制作も同じだなぁと思い実際の取り入れています。
この3つが揃っていないレイアウトはどこか物足りない印象になってしまいますよ。
例えば「レイアウトは良いけど、魚がいない」などですね。
また3つは調和している必要がありますよね。
ホグワーツにジョン・マクレーンがいたら台無しだと思いませんか?
- 幻想水景
- 実際の風景をモチーフにする
- 遠景
- 近景
など、舞台全体のイメージのことです。
ジオラマ系レイアウトはこれを重視した考え方ですね。
私が応援しているアクアスケイパーSteven Chongさんは特に世界観の演出が秀逸です。
YouTubeチャンネルで作品を公開していますので興味のある方はぜひご覧ください!
Steven Chongさんは現在、IAPLCグランプリに一番近い方だと勝手に思っています!
- お魚
- エビ
- 両生類
- 爬虫類
など、水槽の場合だと「生き物」になることがほとんどですね。
小さなお魚を群れさせるのか、大きなお魚を優雅に泳がせるのか、イモリ、ウーパールーパー、カメなどの両生類にするのか考えただけでも楽しいですよね。
私はやはりレイアウト水槽には生き物がいないとダメだと考えています。
せっかく素敵な舞台ができても、そこで気持ちよく泳ぐ魚がいなければ物語は生まれませんよ!
ベタ マクロストマが泳ぐ素敵なレイアウト!お魚を起点にしてレイアウト制作をしているのが分かりますね!
一番お伝えするのが難しい部分なのですが、例えば「ここが魚の巣になって…」とか「どこまでも道が続いているような…」などの感覚をレイアウトを見た方が持つような作品にするということです。
感じ方は人によって様々なので
- わぁージブリみたい
- お魚の天国だね
- 私も中で泳ぎたいなぁ
などの感想を頂ければOKだと思っています。
素敵な世界観から素敵な物語につなげていくのか、キャラクターに自由に動いてもらって物語を紡ぐのかは作者しだいだと思いますのでご自分の作風を掴んでくださいね。
水面に落ちる水滴で雨を表現なんてロマンチックですよね!
Ordinary-Aquariumの「水草レイアウト入門」では初めて水草水槽にチャレンジする方に向けてレイアウトの作り方を一から紹介しています。
- 水草水槽に必要なもの
- 機材のセッティング
- 底床の敷き方
- 水草の植え方
などを丁寧に解説していますのでお時間のある際にぜひご覧ください。
Ordinary-Aquariumの「コンテストカテゴリー」では私が作った作品を制作過程から公開しています。
コンクリを使って廃墟感を演出したり、板状の石を重ねて遺跡っぽくしたりと色々と遊んでいますのでぜひご覧ください!
自由にレイアウトを作るには、知らなければならないこと、身につけなければならない技術がたくさんあります。
私もまだ修行中の身ですが私の知識や技術を少しづつ記事にしていきますので当ブログをよろしくお願いいたします!
なるべく記事にして情報を残していきます!
この記事が参考になったら感想を教えてもらえると嬉しいです。
記事作成の励みになります!