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【園芸用】木酢液を水槽で活用する方法 ー黒髭苔対策、バクテリアの活性剤、PH降下剤ー

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本記事は木酢液を水槽で活用する方法を解説します。

ホームセンターの園芸コーナーなどで販売されている木酢液はアクアリウムでも活用することができます。

主な活用方法は「黒髭藻類対策」ですが、「バクテリアの活性剤」「pH降下剤」としても使うことができますよ。

身近なところで安価で手に入ることから、何かと使いやすいアイテムです。

「木酢液の成分」「効果」「使い方」など丁寧に解説していきますので、ぜひご覧ください。

この記事の著者
轟元気

プロアクアリスト

轟元気

とどろきげんき

プロフィール

業界歴19年の中堅。現在は有限会社エイチ・ツーに所属し埼玉県坂戸市にあるアクアリウムショップ「e-scape」の店長をしています。本ブログ、Ordinary-Aquariumでは「水草水槽の知識」を中心に今までの経験を基にした実践的な知識、技術を初心者の方にも分かりやすく解説しています。プロフィール詳細リンク、転載、引用について

木酢液とは

木酢液もくさくえきとは、木材を加熱する際(木炭を作るなど)に発生する水蒸気を冷やした物の上澄み液のことです。

ようするに木由来の物質が溶けている液体のことですね。

そのため、色は茶色~焦げ茶色をしていることが多いですよ。

ホームセンターなどで安価に手に入るのでお財布に優しいアイテムです。

元気
元気

燻製とはまた違った「煙」っぽい独特の匂いがします。

木酢液の成分

  • 酢酸
  • ギ酸
  • メタノール
  • 木タール
  • ホルマリン
  • その他

主にこれらの成分が含まれています。

酢酸、ギ酸のような有機酸と、メタノール、木タール、ホルマリンなどの殺菌作用の強いものが含まれているのが特徴です。

原料が自然物であること、抽出過程の違いから商品ごとに微妙に違いがあります。

木酢液と竹酢液

木から抽出したのが「木酢液」

竹から抽出したのが「竹酢液」

微妙に成分が違いますが、使い方は同じです。

水槽に入れても大丈夫なの?

  • メタノール
  • 木タール
  • ホルマリン

このあたりの成分は毒性が強いので、過剰にあると生体に悪影響が出ます。

とはいえ、含有量自体は極少量です。

いたずらに入れ過ぎなければ問題ないでしょう。

元気
元気

水量10Lに対して1ml程度の木酢液を添加し続けたことがありますが生体には影響はありませんでした。

ウィローモスは調子を崩してしまったのでコケの仲間を使っている水槽は注意したほうが良いでしょう。

木酢液の効果

こちらの3つがアクアリウムにおける木酢液の使いみち。

基本的には「黒髭藻類対策」に使います。

「バクテリアの活性剤」「PH降下剤」としては効果が限定的なのであまり期待しないようにしましょう。

それぞれ使い方はこれから1つづつ解説していきます。

黒髭苔対策

黒髭藻類
黒髭苔

木酢液を黒髭苔に直接塗ることで殺すことができます。

死んだ後もしばらく(10~14日程度)残るので、黒髭苔の残骸をヤマトヌマエビに食べてもらうと見た目にも綺麗にすることができますよ。

ヤマトヌマエビの投入量の目安

作業手順

黒髭苔の付いているものを取り出す・露出させる
黒髭藻類の付いているものを取り出す

石や流木など、黒髭苔が付いているものを水槽から取り出しましょう。

レイアウトによっては取り出せない場合もあると思います。その場合は水位を減らして黒髭苔の付いている部分を空気中に露出させましょう。

木酢液を塗る
木酢液を塗る

ハケなどを使い黒髭苔に直接木酢液を塗りましょう。

石・流木などの場合は原液のまま塗りましょう。

水草に塗る場合は薄めて塗らないと枯れてしまうのでご注意ください。

10~15分待つ
10~15分待つ

そのまま10~15分程度待ちましょう。

洗い流す
洗い流す

時間が経ったら水道水で洗い流しましょう。

見た目にあまり変化が無いかもしれませんが徐々に枯れますよ。

水位を減らせて作業している場合は洗い流す必要はありません。

水槽に戻す・水位を戻す
水槽に戻す

石・流木を水槽に戻しましょう。

水位を減らしている場合は、お水を足してくださいね。

黒髭苔が変色する
変化前
黒髭藻類が変色する
変化後

しばらくすると黒髭苔が赤く(白くなることもあります)変色します。

微妙な変化なのであまり見た目には効いている感じがしませんが、この状態にあれば黒髭苔が死んでいると考えてよいでしょう。

※あまり色が変化しないこともあります。

ヤマトヌマエビに食べてもらう
ヤマトヌマエビ

死んだ黒髭苔はヤマトヌマエビが食べてくれます。

水槽に適量入れて綺麗にしてもらいましょう!

水草に塗る場合

2~4倍に薄めて塗る

水草に直接塗る場合、原液のままだと水草が枯れてしまいます。

必ず希釈して塗るようにしましょう。

また、水草の種類によっても向き不向きがあるので注意して作業してくださいね。

対応できる水草

これらのように「葉の硬い水草」は木酢液を直接塗って対応できます。

葉の硬い水草は成長の緩やかな種類が多いため、黒髭苔が付きやすい傾向にあります。

そのため、何かと出番の多い方法ですよ。

元気
元気

枯れてしまうこともあるので、試しながら作業してください!

枯れてしまう水草

コケの仲間、有茎草などは木酢液がかかると枯れてしまうことが多いので、作業中に当たらないように注意しましょう。

これらの水草は成長の早いものが多いので、葉に藻類が付いているのならカットする方が良いでしょう。

どうして木酢液が黒髭苔に効くの?

  • 酸が効く?
  • メタノール、木タール、ホルマリンなどが藻類に効く?

詳細は不明ですが、個人的には「酸によるダメージ」と「メタノール、木タール、ホルマリンなどのダメージ」が複合した結果と考えています。

酸によるダメージだけで黒髭苔を退治できるのかPH降下剤を使って実験したことがあるのですが、木酢液ほどの効果はありませんでした。

その結果から酸以外にも理由があるのだろうと考えています。

元気
元気

詳しくは分かりませんが、、

藻類対策まとめ

当ブログには藻類対策をまとめたページもあります。

藻類でお悩みの方は多いと思いますので、お時間のあるときにぜひご覧ください。

黒髭苔対策の記事もありますので合わせてご覧ください。

バクテリアの活性剤

  • 酢酸
  • ギ酸

これらは炭素を含んでいるので「有機酸」です。

有機酸とは難しくいうと酸の性質をもつ有機化合物のこと。

炭素はある種のバクテリアのご飯になります。

そのため水槽に添加することでバクテリアの増殖を手助けすることができます。

とはいえ「どの程度添加したらどれくらいの効果がでるのか」という部分が非常に曖昧です。

過度に期待しないほうが良いでしょう。

PH降下剤

pH6

木酢液は有機酸という「酸」ですからPH降下剤として利用できます。

ただし、PHを下げる作用は弱く戻りが早いです。

「PHの戻り」とは一度下げたPHが元に戻ってしまうこと(PHが上がる)ことを言います。

そのため、PH降下剤としての効果は限定的です。

PHを下げるなら「テトラ PH/KHマイナス」などを使うのがおすすめです。

使用量の目安

pH7.5の水道水10Lに5~8ml添加 ⇒ pH6.0程度になる

木酢液でPHを下げるならこれくらいのイメージで使うと良いでしょう。

もっとPHを下げる場合は添加を調整してくださいね。

MEMO

水道水の水質、使用する木酢液によってpHの変化量は異なります。

まとめ

今回は「木酢液を水槽で活用する方法」を解説しました。

黒髭藻類対策に有効なアイテムですので、用意しておくといざという時に便利です。

ホームセンターなどで安価で販売されていますので見つけた際に手に入れておきましょう。

「バクテリアの活性」「PH効果作用」は効果が限定的なので、過度に期待しないようにしてくださいね!

元気
元気

独特の匂いにはいつまでたっても慣れませんね(笑)