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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「木酢液を水槽で活用する方法」を解説します。
ホームセンターの園芸コーナーなどで販売されている木酢液はアクアリウムでも活用することができます。
主な活用方法は「黒髭藻類対策」ですが、「バクテリアの活性剤」「pH降下剤」としても使うことができますよ。
身近なところで安価で手に入ることから、何かと使いやすいアイテムです。
「木酢液の成分」「効果」「使い方」など丁寧に解説していきますので、ぜひご覧ください。
木酢液とは、木材を加熱する際(木炭を作るなど)に発生する水蒸気を冷やした物の上澄み液のことです。
ようするに木由来の物質が溶けている液体のことですね。
そのため、色は茶色~焦げ茶色をしていることが多いですよ。
ホームセンターなどで安価に手に入るのでお財布に優しいアイテムです。
燻製とはまた違った「煙」っぽい独特の匂いがします。
- 水
- 酢酸
- ギ酸
- メタノール
- 木タール
- ホルマリン
- その他
主にこれらの成分が含まれています。
酢酸、ギ酸のような有機酸と、メタノール、木タール、ホルマリンなどの殺菌作用の強いものが含まれているのが特徴です。
原料が自然物であること、抽出過程の違いから商品ごとに微妙に違いがあります。
木から抽出したのが「木酢液」
竹から抽出したのが「竹酢液」
微妙に成分が違いますが、使い方は同じです。
- メタノール
- 木タール
- ホルマリン
このあたりの成分は毒性が強いので、過剰にあると生体に悪影響が出ます。
とはいえ、含有量自体は極少量です。
いたずらに入れ過ぎなければ問題ないでしょう。
水量10Lに対して1ml程度の木酢液を添加し続けたことがありますが生体には影響はありませんでした。
ウィローモスは調子を崩してしまったのでコケの仲間を使っている水槽は注意したほうが良いでしょう。
こちらの3つがアクアリウムにおける木酢液の使いみち。
基本的には「黒髭藻類対策」に使います。
「バクテリアの活性剤」「PH降下剤」としては効果が限定的なのであまり期待しないようにしましょう。
それぞれ使い方はこれから1つづつ解説していきます。
木酢液を黒髭苔に直接塗ることで殺すことができます。
死んだ後もしばらく(10~14日程度)残るので、黒髭苔の残骸をヤマトヌマエビに食べてもらうと見た目にも綺麗にすることができますよ。
石や流木など、黒髭苔が付いているものを水槽から取り出しましょう。
レイアウトによっては取り出せない場合もあると思います。その場合は水位を減らして黒髭苔の付いている部分を空気中に露出させましょう。
そのまま10~15分程度待ちましょう。
時間が経ったら水道水で洗い流しましょう。
見た目にあまり変化が無いかもしれませんが徐々に枯れますよ。
水位を減らせて作業している場合は洗い流す必要はありません。
石・流木を水槽に戻しましょう。
水位を減らしている場合は、お水を足してくださいね。
しばらくすると黒髭苔が赤く(白くなることもあります)変色します。
微妙な変化なのであまり見た目には効いている感じがしませんが、この状態にあれば黒髭苔が死んでいると考えてよいでしょう。
※あまり色が変化しないこともあります。
死んだ黒髭苔はヤマトヌマエビが食べてくれます。
水槽に適量入れて綺麗にしてもらいましょう!
2~4倍に薄めて塗る
水草に直接塗る場合、原液のままだと水草が枯れてしまいます。
必ず希釈して塗るようにしましょう。
また、水草の種類によっても向き不向きがあるので注意して作業してくださいね。
これらのように「葉の硬い水草」は木酢液を直接塗って対応できます。
葉の硬い水草は成長の緩やかな種類が多いため、黒髭苔が付きやすい傾向にあります。
そのため、何かと出番の多い方法ですよ。
枯れてしまうこともあるので、試しながら作業してください!
コケの仲間、有茎草などは木酢液がかかると枯れてしまうことが多いので、作業中に当たらないように注意しましょう。
これらの水草は成長の早いものが多いので、葉に藻類が付いているのならカットする方が良いでしょう。
- 酸が効く?
- メタノール、木タール、ホルマリンなどが藻類に効く?
詳細は不明ですが、個人的には「酸によるダメージ」と「メタノール、木タール、ホルマリンなどのダメージ」が複合した結果と考えています。
酸によるダメージだけで黒髭苔を退治できるのかPH降下剤を使って実験したことがあるのですが、木酢液ほどの効果はありませんでした。
その結果から酸以外にも理由があるのだろうと考えています。
詳しくは分かりませんが、、
当ブログには藻類対策をまとめたページもあります。
藻類でお悩みの方は多いと思いますので、お時間のあるときにぜひご覧ください。
黒髭苔対策の記事もありますので合わせてご覧ください。
- 酢酸
- ギ酸
これらは炭素を含んでいるので「有機酸」です。
有機酸とは難しくいうと酸の性質をもつ有機化合物のこと。
炭素はある種のバクテリアのご飯になります。
そのため水槽に添加することでバクテリアの増殖を手助けすることができます。
とはいえ「どの程度添加したらどれくらいの効果がでるのか」という部分が非常に曖昧です。
過度に期待しないほうが良いでしょう。
木酢液は有機酸という「酸」ですからPH降下剤として利用できます。
ただし、PHを下げる作用は弱く戻りが早いです。
「PHの戻り」とは一度下げたPHが元に戻ってしまうこと(PHが上がる)ことを言います。
そのため、PH降下剤としての効果は限定的です。
PHを下げるなら「テトラ PH/KHマイナス」などを使うのがおすすめです。
pH7.5の水道水10Lに5~8ml添加 ⇒ pH6.0程度になる
木酢液でPHを下げるならこれくらいのイメージで使うと良いでしょう。
もっとPHを下げる場合は添加を調整してくださいね。
今回は「木酢液を水槽で活用する方法」を解説しました。
黒髭藻類対策に有効なアイテムですので、用意しておくといざという時に便利です。
ホームセンターなどで安価で販売されていますので見つけた際に手に入れておきましょう。
「バクテリアの活性」「PH効果作用」は効果が限定的なので、過度に期待しないようにしてくださいね!
独特の匂いにはいつまでたっても慣れませんね(笑)
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