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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事では「石の酸処理方法とその効果」を解説します。
トイレ用洗剤でお馴染みのサンポールを使えばどなたでも手軽に酸処理を行うことができます。
今回は「酸処理の効果」「酸処理方法」などを詳しくご紹介していきます。
酸処理後の水質変化を「未使用の石」「数年水槽で使った石」「複数回酸処理をした石」と比べましたので、酸処理の効果が一目で分かるようにしました。
最初に結論から書くと、石を酸処理する目的は「色を綺麗にすること」です。
硬度を下げる効果は残念ながら限定的なので期待しない方がよいですよ。
色を綺麗にする
酸処理をすると色が綺麗になります。
特に明るい色味がより鮮やかに発色するようになるので、石をメインでレイアウトする場合は試してみると良いでしょう。
ブラシでこするよりも綺麗になりますよ!
今回検証に使うのはこちらの青龍石系の石です。
ゴツゴツした形状、独特の青み、霜降り状に白い模様から人気のある石です。
硬度を上げる性質があるので水草が育ちづらくなってしまうことがあるのが欠点。
そのため、酸処理をして硬度上昇を抑えようというわけなのですが、、、
- 龍王石
- 昇竜石
- 青華石
など、様々な流通名があります。
- 黄虎石系の石
- 万天石
- 山谷石
- 木化石
- 赤木化石
- 溶岩石
- 川石
- 乱形石
こちらの石は検証の結果、あまり硬度を上昇させないことが分かりました。
そのため、そもそも硬度をあまり気にせずにレイアウトできますよ。
しかし、色を綺麗にするために酸処理をするのは有りです。
詳しい水質チェックの数値などはこちらの記事でご紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
- 硬度上昇を軽減する?
- 色の変化
酸処理をすると石の硬度上昇を抑えることができると言われていますが、複数回酸処理をした結果、ほとんど硬度を下げる効果が無いことが分かりました。
酸処理による硬度を下げる効果は石によって大きく異ることも分かりましたが、いずれにしても効果が少ないことを確認しています。
詳しい水質変化は後ほど解説します。
特に白い部分が綺麗になります。
青や茶色など、特有の色の付いた部分はは黒ずむことがあるので気になる方は目立たな部分だけ酸処理をして確認すると良いでしょう。
詳しい色の変化は後ほど解説します。
酸処理と言っても要はサンポール溶液に一晩漬けておくだけ。
後は洗ってもう一晩水道水につければ完了です。
必要なもの、手順を詳しく解説していきます。
- バケツ
- サンポール
- 水
- ビニール手袋
アクアリウムで何かするときはバケツを使うことが多いですが今回も使います。
石の量にもよりますが10~15Lくらいのものが使いやすいと思います。
石&サンポール溶液を入れた状態で持ち運べないと作業しづらいですよ。
強力な酸なら酸処理に利用できるのですが、なかでもサンポールは手に入れやすいのでおすすめです。
ドラッグストア、ホームセンターなどで簡単に手に入れることができます。
強酸性のため、アルカリ性のもの、硫化物を含むものと混ざると塩素ガス、硫化水素ガスなどが発生して大変危険です。
絶対に他の薬品と混ぜないようにしましょう。
- 塩酸 9.5%
- 界面活性剤 (アルキルトリメチルアンモニウム塩)
- 洗浄助剤
- 増粘剤
- 香料
- 着色剤
含まれている塩酸が石の表面を溶かして酸処理するという感じです。
洗剤のため界面活性剤、香料が含まれることから酸処理すると泡立ち、匂いが立ち込めます。
普通の水道水で十分です。
サンポールが濃いほうがより効くので、少量の石を酸処理するなら水は使わなくても良いでしょう。
必ず必要なものではありませんが気になる方は手袋をしましょう。
サンポールは酸度の高い薬品なので手につくと荒れますよ。
バケツに石と水を入れましょう。
水は石が隠れる程度で十分です。
サンポールを入れると石と反応してシュワシュワと泡が出ます。
風通しの良い場所で一晩程度放置して反応が終わるを待ちましょう。
サンポール水をしっかり水道水で洗い流しましょう。
※気になる方はビニール手袋をしましょう
一晩程度水道水にさらしてアク抜きをしましょう。
レイアウトをお楽しみください。
1L/100mL程度を目安にサンポールを入れる
これくらいを目安に入れましょう。
濃いほうがより効果が高いので、濃くなる分には問題は無いでしょう。
- PH:6.0
- 全硬度(CaCO3換算):40mg/L
- TDS:54ppm
- ↑この水に72時間さらす
水草用ソイルの使用を想定してこちらの条件にて水質変化を記録しました。
よりはっきりと効果を比べるため「未使用」「数年使用したもの」「1回酸処理したもの」「6回酸処理したもの」と比較してみたのでご覧ください。
石 | 色変化 | pH変化 | 硬度変化 | TDS変化 | 水草適正 |
---|---|---|---|---|---|
未使用 | 基準 | +1.9 | +40mg/L | +51ppm | △ |
数年使用 | 変化無し | +1.2 | +10mg/L | +24ppm | ◯ |
酸処理(1回) | 青い部分がやや黒ずむ | +1.4 | +45mg/L | +61ppm | △ |
酸処理(6回) | 色がやや鮮やかになる | +2.1 | +45mg/L | +54ppm | △ |
こちらが結果です。
残念ながら1回酸処理をしただけでは硬度上昇を改善することはできませんでした(むしろ悪化、、)。
6回ほど同様に酸処理をしても硬度上昇は変化しませんでした。
しばらく使用したものはかなり硬度上昇が抑えられているので、これなら水草水槽でも使えるレベルですね。
以上の結果から、青龍石系の石を酸処理しても硬度は下がらないことが分かりました。
色は酸処理をするごとに綺麗になったため、「より色を綺麗にするため」に酸処理をするのは有りだと考えます。
青龍石系の石に関しては大きく分けると「青い部分」「灰色の部分」「白い部分」があります。
このうち、「灰色の部分」「白い部分」が多いものほど硬度上昇が激しく、また酸処理により溶ける割合が大きいので、この部分が大きく硬度を上昇させていると考えられます(青い部分も硬度を上昇させますが)。
青龍石系の石を使う場合は青い部分が多いものを使用すると、ある程度硬度の上昇を抑えられるでしょう。
数年使用したものはかなり硬度上昇が抑えられています。
これが長年の使用によるものなのか、石の個性なのかは不明ですが、石によっては長年の使用により硬度上昇が穏やかになるのかもしれません。
残念ながら硬度上昇を抑えることはできませんでした。
こちらの記事で使ったものと同じものを使いました。
どれも普段から愛用しているアイテムなので、興味のある方はご覧ください。
青みの強いタイプと白い部分が強いタイプの色の変化を見ていきます。
結果:あまり変わらない。
青龍石系の灰色に近い色のタイプはあまり色が変わらない傾向があります。
結果:白い部分が綺麗になる。
霜降り状に白い部分が入っているタイプは青い部分が黒ずむ傾向があります。
- 混ぜるな危険
- サンポールが手につかないようにする
- 換気の良い場所で作業する
サンポールは強酸性の洗剤のため、アルカリ性のもの(キッチンハイターなど)、硫化物を含むものと混ぜると塩素ガス、硫化水素ガスなどが発生して大変危険です。
絶対にアルカリ性のもの、硫化物を含むものと混ぜないでください。
手につくと荒れるのでご注意ください。
気になる方はゴム手袋をしましょう。
- サンポールの匂い
- 石との反応でガス(CO2)が出る
以上のことから換気の良い場所で作業することをおすすめします。
室内で作業すると部屋中がサンポールの香りに包まれます。
どことなくトイレを連想させる匂いなので、、
水槽用の砂利としてお馴染みの大磯砂ですが、新品のものは不純物が多く淡水熱帯魚、水草の育成にあまり適していません。
そこで、大磯砂も同様にサンポールで酸処理をすることで、不純物を除去することができますよ。
こちらの記事で大磯砂の酸処理について詳しく解説しましたので、興味のある方はぜひご覧ください。
今回は「石の酸処理方法とその効果」を解説しました。
サンポールに漬けるだけなので酸処理は簡単です。
しかし、1回の酸処理では硬度上昇が抑えられないことがあるので注意が必要ですよ。
本格的に青龍石系の石でレイアウトするなら水質をチェックしながら酸処理をすると良いでしょう。
初心者の方がジオラマレイアウトを作るなら青龍石系以外の石を使うことをおすすめします!
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