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どうも、プロアクアリストの轟元気(@ordinaryaqua)です。
本記事は「塩水浴の方法」を解説します。
塩水浴は古くから「金魚」の調子を整える方法として使われてきました。
金魚に限らず「メダカ」「ベタ」「熱帯魚など淡水魚全般」に有効です。
方法は簡単!
水槽へ「食塩」を入れるだけ。
塩水浴の効果や塩の濃度など初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
興味のある方は、ぜひご覧ください。
目次 閉じる
塩水浴の効果は主にこちらの4点です。
「浸透圧調整」「体液の流出を防ぐ」というお魚の調子を整える効果とコショウ病、白点病の初期症状へ対応が主な役割です。
簡単に言うと「塩水浴をするとお魚が楽になる」という感じです。
塩水浴をすることで浸透圧調整に使っているエネルギーを節約できるので体が楽になるというわけです。
お水はより塩分濃度の濃い方へ移動していきます。
そのため、水の中にいるお魚は絶えず「周りの水と体内の水分」の調整をしています。
淡水魚の場合、周りの水がどんどん体の中に入ってくるのでこれを常に体の外へ排出しています 。
海水魚の場合は逆に体から水分がどんどん抜けていきます。
お魚の体内はだいたい0.5%程度の塩分濃度です(厳密にいうと魚種ごとに異なるのですが、大体このくらいのしておけばOKです)。
これより塩分濃度が低い場合は水槽の水が体の中へ入ってきます。
高い場合は体の水分が水槽へ出ちゃいます。
そのためお魚は体液を保つために常に浸透圧調整にエネルギーを消費しています。
塩水浴をすることで濃度差を少なくし浸透圧調整に使うエネルギーを少なくすることでお魚の負担が減ります。
お魚が病気になると、体に潰瘍ができたり、糜爛したりします。
そうすると体液が水槽へ流出してしまい弱ってしまいます。
塩水浴をすることで体液の流出をある程度防ぐことができますよ。
薬浴時に塩水浴も同時に行うと治癒率が上がる理由はここにあります。
塩水浴はコショウ病の治療に効果があります。
初期症状なら魚病薬を使わなくても治せてしまうこともあります。
極初期症状なら白点病にも効果があります。
ある程度症状が進むと塩水浴だけで治療をするのは難しいので魚病薬(ヒコサンZ、アグテンなど)を使いましょう。
- お魚の調子がちょっと悪い
- お魚が喧嘩して弱ってしまった
- お魚を導入する前にトリートメントしたい
- 薬浴をする
などなど、お魚が弱っているときに行いたいのが塩水浴です。
魚病薬は基本的に病気発生時に使用するものなので「ちょっと調子が悪い」なんて時に頼りになるのが塩水浴です。
塩水浴は薬浴と併用できますので、隔離水槽で薬浴をするなら一緒に塩水浴も行いましょう。
こちらの2点が塩水浴のデメリットです。
どちらも隔離水槽で塩水浴をすることで解決することができますので、大きなデメリットではないです。
塩は水草の天敵です。
0.5%濃度でも多くの水草が枯れてしまいます。
塩は一度入れてしまうと抜くのがとても大変です。
飼育水槽へ入れてしまうと後が面倒なので隔離水槽を用意してそちらで塩水浴を行いましょう。
塩水浴は水槽にお塩を入れるだけなので簡単です。
塩の濃度は「0.5%程度の濃度」になるように調整しましょう。
一度塩を入れると抜くのが大変なので塩水浴は基本的に隔離水槽で行いましょう。
隔離水槽のセッティング方法はこちらの記事をご覧ください。
隔離水槽にお魚を移動しましょう。
飼育水1Lあたり5gの塩を入れましょう。
私はお魚が泳いでいるところに塩をそのまま投入しています。
お魚の調子が回復するまで2週間程度様子を見ましょう。
換水をして塩を抜きましょう。
私は3日間隔で3回換水をして塩の濃度が25%程度になったら飼育水槽に戻すことが多いです。
1L当たり5g程度
これくらい入れれば大丈夫ですよ。
5Lなら25g、10Lなら50gですね。
こちらのサイトで詳しく計算できますので興味のある方は見てみてください。
小さじ1杯が約5gです。
1Lにつき、小さじ1杯入れればOKということですね。
100均やスーパー、ホームセンターに行けば小さじは簡単に手に入るので家に無い方は準備しておくと良いでしょう。
ちなみに大さじ1杯は約15gです。つまり3L分ということですね!
「食塩」が良いです。
アジシオ、岩塩など旨味成分やにがりが入っているものはおすすめしません。
スーパーで一番安い塩を選べば大丈夫ですよ。
2週間程度が目安です。
基本的に2週間を目安に行います。
特にこの期間行わなければならないという期間はありませんが、様々な状況を考慮すると2週間程度を目安に行うと良いでしょう。
基本的に害はありません。
飼育水槽に水草を入れないのなら、ずっと塩水浴状態で飼育を続ける方法もあります。
基本的には「調子が良くなった」「病気が治った」などのタイミングで塩水浴を止めてしまっても大丈夫ですよ。
換水しましょう。
塩は入れるのは簡単なのですが抜くのが大変です。
そのため、飼育水槽で塩水浴をさせてしまうと塩抜きがとっても大変なので必ず隔離水槽で塩水浴を行いましょう。
50%の換水を繰り返して塩抜きをする場合、4回換水しても投入量の12.5%が残ってしまいます。
私は3日間隔で3回換水をして塩の濃度が25%程度になったら飼育水槽に戻すことが多いです。
100%
50%
25%
12.5%
- コショウ病の治療(初期症状に限る)
- 白点病の治療(極初期症状に限る)
こちらの2つの症状にはある程度効果があります。
どちらも効果は限定的ですので、基本的には薬を用意して対応することをおすすめします。
- カラムナリス菌
- エロモナス菌
こちらが原因で起きる病気にはあまり効果がありません。
これらの菌が起こす症状「尾腐れ病」「ヒレ腐れ病」「口腐れ病」「エラ腐れ病」「赤斑病」「穴あき病」などには魚病薬を使い対応しましょう。
おすすめの魚病薬についてはこちらの記事でご紹介していますのでご覧ください。
- 塩水浴はいつまで続けるの?
- 2週間程度を期間の目安にすると良いでしょう。
特に長期間続けたからといって害はありませんが、症状が回復しているのなら切り上げてしまっても良いでしょう。
- 塩水浴をする水槽の大きさはどれくらいがよい?
- お魚の大きさによりますが、30cm程度(15L程度)の水槽を使用することが多いです。
この大きさであれば3~5cm程度のお魚なら3~5匹程度、10cm程度なら1匹程度なら短期間の塩水浴には十分でしょう。
- 塩水浴を短時間だけ行うことは有効なの?
- 基本的にあまり有効ではありません。
塩水浴の効果は主にお魚の調子を整える作用ですので、ある程度の期間行わないと効果は薄いです。
- 塩水浴中の水換え頻度は?
- 週に1回50%程度が目安です。
基本的に普段換水をしている間隔と同様に行って大丈夫です。
水槽の汚れが激しい場合などは週に2回程度に増やして対応しましょう。
- 塩水浴をする際はお魚は水合わせをして入れたほうがよいの?
- 厳密に言えば水合わせをしたほうが良いのでしょうが、私は塩水浴をする際はあまり水合わせしません。
隔離水槽に魚を移動⇒塩を投入
このように水槽に直接塩を入れて塩水浴を開始することが多いので、水合わせは行わないことがほとんどです。
- 塩水浴中の水温は何度がベスト?
- 普段管理している際の水温と同様にしてください。
お魚が弱っている場合、水温の変化が激しいとさらに弱ってしまいますから季節の変わり目などはヒーターを利用すると安心です。
白点病の治療など水温を上げることが有効な場合は、ヒーターを使って加温しましょう。
- 塩水浴で使う塩は食塩で本当にいいの?
- はい。問題ありません。
味塩や岩塩など、ミネラル分を含む塩は思わぬ水質変化が起きる可能性があることからおすすめしません。
- 塩水浴に人工海水は使えるの?
- 諸説ありますが私は食塩を使うことが多いです。
- お魚が鼻上げをしています。塩水浴で改善する?
- 微妙なところです。
水槽全体のお魚が鼻上げをしている場合、高確率で酸欠症状ですので塩水浴よりも換水が有効です。
エラに症状の出る病気の場合、鼻上げをすることがありますがこの場合は薬浴をおすすめします。薬浴時は塩水浴を同時に行うと治療効果が増します。
- 塩水浴で菌を殺すことはできるの?
- お魚にダメージの無い範囲の塩分濃度ではほとんど殺菌効果は期待できません。
そのため、塩水浴で細菌感染症を治療することはできません。
細菌感染症の治療には魚病薬を使いましょう。
塩水浴はお魚の調子を整える効果がありますので、薬浴と塩水浴を併用することで治療効果を高めることができます。
- 塩水浴は塩を入れるので水質がアルカリ性になる。お魚に害は無いの?
- 基本的にありません。
塩水浴程度の塩分濃度ではPHの上昇幅は大きくありませんので強く気にする必要はありません。
- 塩水浴中はアルカリ性になるからアンモニア中毒が心配です。
- 定期的な換水、餌を与えすぎないことに注意すればあまり問題ないでしょう。
私は今まで何度も塩水浴をしていますがアンモニア中毒が発生したことはほとんどありません。
そのため、そこまで気にしなくても良いと思いますよ。
- 塩水浴の入れ物は何がよい?
- 横からお魚を観察できる水槽がおすすめですが、バケツなど水が張れるものなら代用できます。
- 塩水浴中の餌はどうすればよい?
- 普段どおり与えてください。
隔離水槽で塩水浴をしている場合、飼育水槽よりも小さいことがほとんどでしょうから餌が余らないように与えましょう。
弱っていて餌を食べない場合は無理に与える必要はありません。
- 塩水浴中はエアレーションをしたほうがよい?
- 水が循環していれば必ずしもエアレーション(ブクブク)をする必要はありません。
- 塩水浴の終わり方は?
- お魚の調子が回復したら換水をして塩を抜きましょう。
私は3日間隔で3回換水をして塩の濃度が25%程度になったら飼育水槽に戻すことが多いです。
- 塩水浴と活性炭は併用できますか?
- 併用できます。
ただし活性炭は魚病薬と併用できませんので、塩水浴と同時に薬浴をする場合は使わないようにしましょう。
- 塩水浴をする際もカルキ抜きが必要ですか?
- 必要です。
通常の管理と同様に塩水浴を行う際も水道水を入れる場合はカルキ抜きを使用しましょう。
- 塩水浴は貝に害はありますか?
- 塩水浴の塩分濃度であれば特に問題ありません。
- 塩水浴はエビに害はありますか?
- 塩水浴の塩分濃度であれば特に問題ありません。
- 塩水浴をする水槽にはフィルターなどのろ過装置をつけたほうがよい?
- 簡易的なものでよいのでつけましょう。
どうしてもつけられない場合は週に2~3回などマメに換水をしましょう。
- 塩水浴する際に塩を入れたら白濁した。これは大丈夫なの?
- 塩での白濁でしたら気にしなくて大丈夫です。
- 塩水浴は金魚の転覆病に効果がありますか?
- 直接症状を改善する効果はありませんが、症状がやわらぐことがあります。
- 塩水浴でろ過バクテリアは死んでしまうの?
- ほとんどろ過バクテリアに影響はありません。
塩水浴はほとんどろ過バクテリアにダメージがありませんのでこの点は気にしなくても大丈夫です。
薬浴と塩水浴を同時に行う場合、魚病薬はバクテリアにダメージがあるものがあるので注意しましょう。
本記事は「塩水浴の方法」を解説しました。
「食塩」ならどのご家庭にもあるかと思いますので、急にお魚が病気になった際にすぐに塩水浴を始めることができます。
魚病薬は専門店で無いと取扱がなかったりするので準備するまでに時間がかかります。
それまでの「つなぎ」として塩水浴はとても効果的ですよ。
もし、調子の悪いお魚がいるようでしたら、まずは塩水浴で様子を見てみましょう。
隔離水槽はご用意ください!
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