本記事では「プロアクアリストのお仕事」について解説します。
「これからアクアリウム業界で働きたい方」に向けてざっくりとプロアクアリストの仕事についてご説明していきますよ。
細かく分けていくと無数に業種があり、結局、わかりづらくなってしまう思うので、今回は「6つ」に大別してみました。
簡単な説明ではありますが、私達の仕事について知っていただけたら嬉しいです。
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私は「アクアリウムに関わる仕事をしている方」を「プロアクアリスト」と読んでいます。
店舗スタッフ、メーカー、問屋、ブリーダー、メンテナンス業など様々な業態がありますが、アクアリウムに関わる仕事している方は皆、「プロアクアリスト」だと思っていますよ。
今回はアクアリウム業界で一般的なこちらの6つの業種について解説します。
細かく紹介していくと無数にあるのですが、多くはまとめるとこちらの6つに大別することが出来ますよ。
- 店舗スタッフ(小売業)
- メーカー
- 問屋
- ブリーダー
- メンテンナス業
- メディア
元気

いわゆる熱帯魚屋さん。
アクアリウム業界の中で最も多く、一般のお客様に接します。そのため、接客応対の技術が1番重要です。
また同時に商品である生体、水草の管理技術が求められますよ。
マネージャー職になると、マーケティング、経理、人材育成など経営者目線の仕事も増えます。
店舗にもよりますが、総合的な能力が求められることが多いですね。
小さな会社が多いので、個人の力量次第で若いうちから大きな仕事につけたりしますよ。
その分、研修制度など人材育成面は個人の努力に依存する傾向が強いので自立心の強い方向けかもしれませんね。
参考 店舗例アクアフォレスト
ADA、GEX、キョーリン、水作などアクアリウム用品を開発するのがメーカーの仕事。
スーツを着て仕事をすることが多いので、「サラリーマン」のイメージに近いでしょうか(企業によりますが)。
部署によって仕事内容が大きく変わります。「営業」「研究開発」「総務」「経理」「広報」などの部門が一般的ですね。
資本が大きいことが多いので、比較的安定していますよ。
カレンダーの赤い日、年末年始、お盆、GWなど世間一般と同じ休みが取れるのは羨ましいですね。
参考 メーカー例ADA
「メーカ ⇒ 問屋 ⇒ 店舗」「海外 ⇒ 問屋 ⇒ 店舗」など間に入って流通量の調整をするのが問屋の仕事。
熱帯魚問屋は海外から輸入されてくるお魚へいち早く触れるので、お魚好きに人気があります。
比較的体育会系気質なところが多い印象ですね。また、職人気質な方が多いです。
「通年、高温多湿な温室で働く」「重たい荷物の運搬」をするので体力が要りますよ。
仕入れを担当するようになると、海外勢と英語で商談をする必要があるので学ぶ必要があります。
業者にもよりますが、優秀な人材は海外に直接仕入れに行くこともありますよ。
参考 問屋例神畑養魚株式会社
お魚、水草などを自分で繁殖、栽培して販売する仕事。
自身で直接小売をすることもあれば、問屋などに卸売をすることもあります。
国内では「ディスカス、ラミレジィ、エンゼルなどのシクリッド」「グッピー」などが主流です。最近では「メダカ」「エビ」のブリーダーも多いですね。
自分のオリジナル品種を作ったり、自身のブランドを立ち上げる方が多いですよ。
成功している方は総じて営業力のある方が多いです。ブリーディング技術の他に販売する力が無いと成功しないことに注意が必要ですよ。
昨今は「SNSの発達」「通販、オークションサイトなど販路の増加」により参入しやすい状況です。
その分、他との差別化はしっかりと考えないと成功しないかもしれませんね。
参考 ブリーダー例アクアマイスター
お客様の水槽を管理、施工、メンテナンスをする仕事。
0の状態から完成形まで、お客様の要望を加味してアクアリウムを作らなければならないため、総合的なアクアリウムの知識、技術が必要です。
案件によっては、壁に埋め込むなど特殊な形状になることも多く、建設業者の方との折衝も担当することがあります。設計図などの図面が書ける、読めると良いですね。
また、TV撮影やイベント設営などの仕事も多く、働く時間が不規則になりがちです(夜のうちに設営するなど)。
今回ご紹介する6つの中では「アクアリウムを作る」という機会に1番恵まれていますよ。
参考 メンテナンス業者例東京アクアガーデン
雑誌やブログ、YouTubeなどでアクアリウムの情報を発信する仕事。
アクアリウムの月刊誌を「月間アクアライフ」を発行する「エムピージェー」が有名ですね。
「各店舗、自生地への取材」「新着魚、水草の撮影」「海外撮影」などの足を使った仕事と執筆、編集作業が主な仕事です。資本が大きいところは「広報」「経理」などの部門もありますよ。
月刊誌などは毎月の締切が決まっているので、毎月、忙しい期間と比較的時間の取れる期間が交互にくるイメージです。
今までは参入するのが難しい業種でしたが「YouTube」「各SNSの発達」により、参入しやすくなりましたね。
参考 メディア例エムピージェー6つに大別しましたが、複数の業種に跨って商売をしているところもありますよ。
むしろ専門的に一つに絞っている会社の方が少ないかもしれませんね。
いくつか代表的な会社さんをご紹介しますので見てみてください。

餌メーカーである「キョーリン」と熱帯魚問屋である「神畑養魚株式会社」は同一グループです。
また実はブリーディングも行っており「カミハタブリード」と銘打ったカクレクマノミなどが有名ですよ。
最近では「シマヤッコのブリーディング」に成功したとか。
ちなみに現在、ドイツエーハイム社の日本総代理店はカミハタが務めています。
参考 メーカー×問屋×ブリーダー神畑養魚株式会社
アジアアロワナは繁殖させたことで有名な「東熱帯魚研究所」は古くから自社でブリーディングした魚を販売しています。
東熱帯魚研究所が初めて繁殖させた魚も多く、しっかりと記録を残されているので、国内外の専門誌に記事を提供しているます。古くからの熱帯魚ファンなら一度は読んだことがあるはずですよ。
参考 店舗×ブリーダー東熱帯魚研究所
現在、4店舗を持つ熱帯魚ショップ「H2」は水槽メンテナンス業も行っています。
その他「TVセット設営」「イベント設営、運営」「専門学校講師」など幅広く活躍していますよ。
働くスタッフは専門性の他に柔軟に様々な状況に対応する力が求められますね。
参考 店舗×メンテナンス業H2今回は「プロアクアリストのお仕事」について解説しました。
ここのところ、時代の変化が激しいので新たな業態が生まれるような気配を感じます(具体的に上手く表現できませんが)。
時代の流れとともに変化はするでしょうが、今回ご紹介した6つの枠組みは大きな括りなので無くなりはしないかと思います。
なので、アクアリウム業界で働きたい方はまずはこちらの6つの中から仕事にしたいことを選んでみてはいかがでしょうか?
そして自身の「やりたいこと」「やりたくないこと」「強み」「弱み」をよく考えて、幸せになる道を選んでください!
元気