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【初期エロモナス症対策】観パラD、グリーンFゴールドリキッドの使い方

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本記事は観パラD、グリーンFゴールドリキッドの使い方を解説します。

観パラD、グリーンFゴールドリキッドは初期エロモナス病対策におすすめの薬です。

どちらも液体タイプで使いやすく、小さなサイズもあるので小型水槽でも使いやすいです。

初期症状のエロモナス症には「観パラD」「グリーンFゴールドリキッド」を使い、重症のエロモナス症には「エルバージュエース」と使い分けると良いでしょう。

殺菌剤としては珍しく、ろ過バクテリアへのダメージが少ないので急ぎの場合は飼育水槽へ入れる使い方もできます(水草は枯れてしまうので注意!)。

効果、用量、使い方など初心者の方にも分かりやすく丁寧にご説明しますのでぜひご覧ください。

注意

今までの使用経験を元に執筆しています。中には説明書記載の使用法などと違う部分もありますので参考までにご覧ください。

おすすめの魚病薬

グリーンFリキッドの他、おすすめの魚病薬をこちらの記事でご紹介しています。

お魚の病気の薬をお探しの方はぜひご覧ください。

この記事の著者
轟元気

プロアクアリスト

轟元気

とどろきげんき

プロフィール

業界歴19年の中堅。現在は有限会社エイチ・ツーに所属し埼玉県坂戸市にあるアクアリウムショップ「e-scape」の店長をしています。本ブログ、Ordinary-Aquariumでは「水草水槽の知識」を中心に今までの経験を基にした実践的な知識、技術を初心者の方にも分かりやすく解説しています。プロフィール詳細リンク、転載、引用について

観パラD、グリーンFゴールドリキッドの効果

観パラD
グリーンFゴールドリキッド

グリーンFリキッドは主に初期症状のエロモナス症治療におすすめの薬です。

水カビ病とエロモナス症とは、エロモナス菌の仲間が感染して起きる症状の総称です。

  • カラムナリス症(初期症状なら)
  • コショウ病(初期症状なら)
  • 白雲病(効果は限定的です)
  • エビの細菌感染症(初期症状なら)
元気
元気

重症化しているエロモナス症の場合、観パラD、グリーンFゴールドリキッドよりも「エルバージュエース」での薬浴をおすすめします。

エロモナス菌?

細菌の仲間「エロモナス」の感染によって起きる病気の総称です。

「エロモナス サルモニシダ」「エロモナス ハイドロフィラ」などが原因菌として有名です。

こちらの症状はエロモナス菌が原因であることが多いです。

  • 運動性エロモナス症
  • 赤斑病
  • 穴あき病
  • 腹水病
  • 松かさ病

観パラDとグリーンFゴールドリキッドの違い

どちらも「オキソリン酸」を主成分とする薬です。

違うのは「濃度」

観パラDの方がより濃いので少ない投入量ですみます。

そのため、コスパが高いです。

グリーンFゴールドリキッドはコスパが悪いのですが、濃度が薄い分、小型水槽でも使いやすいですよ。

効果は変わりませんので、使いやすい方を使えば良いでしょう。

商品名観パラDグリーンFゴールドリキッド
コスパ良い悪い
使いやすさまずまず使いやすい
元気
元気

ざっくり言うと観パラDの方が10倍濃度が濃いです!

用量

観パラDの場合「10Lに対して1ml程度

グリーンFゴールドリキッドの場合「1Lに対して1ml程度」

これくらいを目安に薬浴をしましょう。

どちらも液体タイプなので比較的計量しやすい薬です。

小型ケースで薬浴する場合はスポイトがあると便利ですよ。

水槽のサイズ、使いやすさで選ぶ

グリーンFゴールドリキッドよりも観パラDのほうが10倍濃度が濃いのでそれだけコスパが良いと言えます。

そのかわりグリーンFゴールドリキッドは計量しやすいのがポイントです。

1Lに1ml入れるという計算しやすい濃度なので5L以下の水槽で薬浴をするならグリーンFゴールドリキッドの方が使いやすいですよ。

元気
元気

しっかり計量できる方はコスパの良い観パラDをおすすめします!

使い方

薬浴は隔離水槽で行う

こちらが観パラD、グリーンFゴールドリキッドで薬浴するときのコツです。

  • 薬を抜きづらいこと
  • 水草が枯れてしまうこと
  • ろ過バクテリアにある程度ダメージがあること
  • 水槽のシリコンなどが青く染まってしまうこと

このような事情から薬浴は隔離水槽で行いましょう。

隔離水槽のセット方法などはこちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

水草が入っていないなら

観パラD、グリーンFゴールドリキッドは比較的ろ過バクテリアへのダメージが少ないことから水槽にそのまま添加し薬浴させることもできます。

  • エルバージュエースなど、効果の高い薬を手に入れるまでのつなぎ
  • 隔離水槽を準備するまでのつなぎ

としてとりあえず今の水槽に添加するという使い方も時にはしています。

MEMO

水草は枯れてしまうのでご注意ください。

投薬例

  • エロモナス症(初期症状なら)
  • カラムナリス症(初期症状なら)
  • コショウ病(初期症状なら)
  • 白雲病(効果は限定的です)
  • エビの細菌感染症(初期症状なら)

こちらの病気治療の場合の投薬例をご紹介します。

2通りの方法がありますので場合によって使い分けると良いでしょう。

投薬例① 通常の薬浴

ベタ、金魚、メダカ、ネオンテトラなどの小型熱帯魚を薬浴する際の基本的に方法です。

隔離水槽の用意、投薬、病魚の移動

隔離水槽をセッティングし、薬を入れましょう。

準備が整ったら病魚を移して治療スタートです。

~6日目「様子を見る」

お魚の様子を確認してください。

もし、何か異変がある場合は、換水をして薬を抜き様子をみましょう。

7日目「換水」

50%程度換水を行い、薬を抜きましょう。

治癒しているようなら薬浴は終了です。

症状がまだ残っている場合、再度薬を投入し薬浴を続けましょう。

8日目~14日目「様子を見る」

お魚の様子を確認してください。

もし、再発があるようなら薬を追加して、再度薬浴を行ってください。

薬浴を続けている場合、お魚に何か異変があれば、換水して薬を抜きましょう。

15日目 「 お魚を戻す 」or「様子を見る」

治療の終わったお魚を飼育水槽へ戻して治療を終えてください。

STEP3で再度、薬を投入している場合は、50%程度換水を行い薬を抜きましょう。

もう3日~7日程度様子を見て再発が無いようなら、お魚を飼育水槽へ戻し治療を終えてください。

治らなかった場合

ここまでで治らないようなら、投入量を1.5倍~2倍に増やし再度STEP1より薬浴をスタート or 薬を「エルバージュエース」に切り替えて薬浴をしましょう。

投薬例② 薬餌

餌に薬を含ませて「薬餌」を作り魚に与える方法です。

特にエロモナス菌がお腹に入って起こる「腹水病」に効果があります。

観パラDは薬餌にするとかなり強い効果を発揮するのですが、薬害もキツく出ることがあります。

グリーンFゴールドリキッドは、その逆ですね。

どちらを使う場合も必ずお魚の調子を見ながら行いましょう。

薬餌を作る

スポイトなどを使い、薬を「1滴」餌の上に落としましょう。

1分程度待てば薬餌の完成です。

※餌は薬を吸い込みやすい「顆粒状」のものが適しています。

薬餌を与える

普段、与えている量の「半分程度」を与えましょう。

1日~3日程度続ける

薬害もあるので3日を限度に与えてみてください。

薬を入れ過ぎたら

規定量より10~20%程度多く入れ過ぎてしまうくらいなら許容範囲であることが多いです。

1.5倍以上入れてしまったのなら30~50%程度(入れ過ぎた量にもよります)換水をして薬の濃度を薄くしましょう。

多少入れ過ぎる程度なら問題にならないことがほとんどです。

1.5倍以上入れてしまったのなら、入れ過ぎた量に応じて換水をして薄めましょう。

投薬中の餌について

様子を見ながら与えてOKです。

治療中はお魚の様子を見ながら餌を与えても大丈夫です。

かなり弱っている場合、餌を食べないこともありますのでその場合は与えないようにしましょう。

元気に食べるようなら、残り餌が出ない程度に与えてください。

投薬時の注意

紫外線で分解される

太陽光

紫外線で成分が分解され薬効を失います。

太陽光が当たる水槽では効果が下がるのでご注意ください。

発注類用のライトなど紫外線を照射するタイプも薬効が短くなってしまいますので、薬浴中の水槽には当てないようにしましょう。

活性炭、ゼオライトで無効化されてしまう

キョーリン ブラックホール

濁り取りなどに有用な活性炭は薬も吸着してしまう。

  • 活性炭
  • ゼオライト

などの吸着系ろ材は薬を吸着除去してしまうため薬浴中は水槽から取り除きましょう。

MEMO

薬の成分を抜きたい場合は水槽に入れましょう。

ソイル水槽では薬効が短くなる

JUN プラチナソイル パウダー

水草水槽でよく使用するソイル(土)は活性炭などと同様に薬を吸着してしまいます。

ソイルを使用している水槽に薬を添加するとソイルが成分を吸着してしまうので薬効が短くなります。

観パラD、グリーンFゴールドリキッドを使い薬浴をする水槽にはソイルを敷かないようにしましょう。

酸欠に注意

魚が酸欠で鼻上げしている様子

薬を添加すると場合によって水槽中の酸素を大きく消費することがあるため、お魚が酸欠になる場合があります。

フィルターを稼働させている場合は酸欠になることは稀ですが、念のためエアレーション(ブクブク)をセットしておくと安心です。

MEMO

フィルターを使用していない水槽で薬浴をする場合はエアレーションを必ずセットしましょう。

薬浴は隔離水槽で

  • ろ過バクテリアに多少ダメージを与える場合がある
  • 水草にダメージがある

以上の点から、基本的に観パラD、グリーンFゴールドリキッドで薬浴する場合は隔離水槽で行うことをおすすめします。

ろ過バクテリアへのダメージは限定的のため、場合により飼育水槽にそのまま投入して薬浴をすることもあります。

生き物によっては影響が大きい

  • 古代魚
  • ナマズの仲間
  • エビの仲間
  • 貝の仲間

などは薬の影響でダメージを受けやすいです。

特に鱗の少ないお魚ほどダメージを受ける傾向にあるのでご注意ください。

貝類などは薬浴中だけ一時的バケツなどに避難させておくと良いでしょう。

MEMO

薬への耐性は魚種によって大きく異なります。古代魚、ナマズの仲間であってもまったく駄目というわけではないので薬浴する際は詳しい方に聞いてみましょう。

薬浴中にお魚の様子がおかしくなったら

すぐに50~80%程度換水しましょう。

もしかしたら薬によるダメージかもしれません。

投薬を中止し換水をして薬を抜きましょう。

成分

観パラD

1ml中
  • オキソリン酸 :50mg

グリーンFゴールドリキッド

100ml中
  • オキソリン酸:500mg
  • 水酸化ナトリウム94mg
  • 黄色4号:微量
  • 精製水:適量

塩水浴と組み合わせて

隔離水槽で薬浴する場合「塩水浴」と合わせて行うとより効果的です。

塩水浴についてはこちらで詳しく解説しましたのでぜひ覧ください。

おすすめの魚病薬

こちらで私が普段から使っている薬を紹介しています。

病状別におすすめの薬を一覧表にまとめましたのでぜひご覧ください。

よくある質問

観パラD、グリーンFゴールドリキッドで薬浴する期間、時間はどれくらい?
通常の薬浴なら1~2週間程度、薬餌なら1~3日程度です。
詳しくは投薬例をご覧ください。
観パラD、グリーンFゴールドリキッドは他の薬と併用できるの?
場合によっては併用することもあります。
薬の併用は説明書では禁止されていますが、現場では必要に応じて行っています。
薬の効果範囲からグリーンFゴールド顆粒エルバージュエースとの併用はあまり有用だとは考えていませんが、ヒコサンZやアグテンなどの寄生虫に効く薬品とは状況に応じて併用しています。
グリーンFリキッドを入れ過ぎてしまいました。薄める方法は?
換水をするのが良いでしょう。
例えば50%換水をすれば濃度を半分にできます。
グリーンFリキッドは開封後どれくらい保つの?
なるべく早く使い切ったほうがよいですが、冷蔵庫などで保管すれば半年程度は保つと考えています。
観パラD、グリーンFゴールドリキッドで薬浴していますが効きません。なぜですか?
投薬した濃度が薄い場合、効果は期待できません。
薬浴をする際は規定量入れるようにしましょう。
また、適応する症状であっても重症化している場合、効きが悪いことがあります。その場合はエルバージュエースなどをお試しください。
観パラD、グリーンFゴールドリキッドが手についてしまいました。人体になにか影響はありますか?
私は職業柄、たくさん手で触っていますが今のところ何も異常はありません。
特別に悪いものというわけではありませんが、良いものでもありませんので触れないようにするのに越したことはありませんが。
グリーンFリキッドで薬浴する際は遮光したほうが良い?
直射日光が当たる場合は薬効が無くなってしまうため遮光してください。
水槽用のライト程度の明るさであれば問題ありません。
お魚を休ませるという意味でしたら遮光した方が良い場合もあります。

2 COMMENTS

武田雅行

60センチ水槽に、塩800グラム、観パラdを6mℓ入れて、一晩おいたら、鯉が10匹死に、4匹生きています。その鯉もふらふらしています。今は、水を全部取り替えて浄化器も洗い、見守っています。この後どうしたらいいですか。

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轟 元気

武田雅行さん、コメントありがとうございます。
コイが死んでしまったのですね。
現状いただいている情報からですと、死因が無数に考えられるため、断言するのは難しいです。

私はコイの治療経験が無いので詳しくはお答え出来ないかもしれませんが、水槽環境(使用機材や水量)、コイのサイズなどさらに詳しい情報をいただければもっとお力になれるかもしれません。

今の所気になっているのは塩の量です。
一般的な60cm水槽であれば280g程度になるのですが、800gはちょっと多いかと思います。健康なコイでしたら800g入れてもなんてこと無いと思いますが、衰弱していたのでしたら急な塩分濃度変化が引き金になって死んでしまうこともあるかもしれませんね。

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