本記事では「世界水草レイアウトコンテスト2018出品水槽の作り方vol2」を解説します。
vol2は水草植栽から完成までをご紹介します。
最後にはおまけとして使用機材、水質など各種データを公開しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
vol1はこちら。
【IAPLC2018】世界水草レイアウトコンテスト 出品水槽の作り方 vol1 構図組~コケ活着
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南米ウィローモスがある程度落ち着いたので、続いて前景を植えていきます。
まず、植えたのはエキノドルス・テネルスです。
雑然とした雰囲気にしたかったのでまずはコイツをチョイスしました。
バランスを見てエキノドルス・ラチフォリウスも追加しました(画像無しすみません、、)。


まずは道部分の石にはプレミアムモスを活着させます。
サイズ感の小さいコケなので「南米モス→プレミアムモス」と視線を誘導することで奥行感演出を狙います。
また、化粧砂部分にはショートヘアーグラス、キューバパールグラスを植えました。
多種を混ぜて植えることで「雑然」とした自然観を作ることができますよ。
前景に植えたエキノドルス・テネルス、エキノドルス・ラチフォリウスよりも小型種を植えることでここでも奥行感演出を狙います。

石の上には最初に配置した南米ウィローモスのほかにこちらも活着させて配置します。
草木に飲み込まれた遺跡のような雰囲気を出すのが狙いです。

僕はゲーム好きなので「遺跡」とかのワードを聞くとワクワクしちゃうんですよね!


今回使った接着剤はこちら。「クイックジェル」です。
- プレミアムモス
- ハイグロフィラ・ピンナティフィダ
- ニューラージパールグラス
今回はこちらの水草の活着に接着剤を使用しました。
接着剤は活着水草の新しい使い方を切り開くアイテムだと思いますので、興味のある方はぜひ使ってみてください。
こちらの記事にて水槽で使える接着剤を詳しく解説しましたのでご覧ください。


ここから前景に水草を追加、後景に様々な水草を植えたのですが写真を撮るのを忘れました。。
こちらは植える直前の状態です。
横から見るとこんな感じです。




こちらが今回使用した水草達です。
鬱蒼とした雰囲気を出すためにたくさんの種類を組み合わせてみました。
- エキノドルス・テネルス
- エキノドルス・ラチフォリウス
- ウォーターローン
- ヘアーグラス
- ショートヘアーグラス
- キューバパールグラス
- ロタラ・ナンセアン
- ロタラ・インジカ(ピンクタイプ)
- アンブレラプラント
- ポゴステモン・ダッセン
- カルダミネ・リラタ
- ベトナムゴマノハグサ
- ルドウィジア・オバリス
- ラージパールグラス
- ラージリーフハイグロ
- ニードルリーフルドウィジア
- グリーンロタラ
- ロタラ・マクランドラグリーン
- ロタラ・ナンセアン
- 南米ウィローモス
- プレミアムモス
- ハイグロフィラ・ピンナティフィダ
- ニューラージパールグラス




いきなり注水後です。
水を張って10日でこうなってしまいました。


ここまで酷い油膜も珍しいなと思わず写真を撮ってしまいました。
立ち上げ失敗です。
どうやら自作の肥料が濃すぎたようです。調子に乗って入れすぎてしまいました。
ここからリカバリーしていきます。
出ている藻類はセット初期に頻出する「トロロ昆布状」の藻類。
ルックスはインパクトありますが対処の簡単な藻類です。
柔らかいのでオトシン、エビ双方がたくさん食べてくれますよ。




今回は採取したシナヌマエビ200匹を投入することにしました。
1週間でここまでキレイになりました。
まだ水の濁りが多少ありますが良しとしましょう。
藻類対策はスピードが大事です。
- 藻類取り生体の投入量
- 水換え等の手間
なるべく早く対応することで上記のような藻類取りのコストを少なくすることができます。


藻類が落ち着き水草が育ってきました。
ここからトリミングで形を整えていきます。
前景が単調でつまらなかったので「白い小石」を追加してみました。
う~んイマイチですねー。


一回目のトリミング直後です。
もう何となく完成形が見えてきましたね。
有茎草の醍醐味はトリミングで形を作っていく過程にあるでしょう!



丸くカットするとなんだか可愛くないですか?


道部分はすっかりショートヘアーグラスに覆われてしまいました。
トリミングをして道を露出させます。
道の周りはマメにトリミングをしないと埋もれてしまうので注意しましょう。


3回トリミングしたものがこちら。
あんまり変わり映えしませんが、よく見ると茂みの密度が上がっています。
手前の石は赤色のものを混ぜてみました。
構図素材にした石と色味があって自然に見えます。うん。良い感じ。
追加したのはこちら。
透明感のあるキラキラとした感じは一見すると不自然に見えますが、ガーデニングに使われる石、砂利は基本的に水草と見た目の雰囲気が合いますよ。
メインの構図素材と相性の良い色彩のものを選ぶのがポイントです。



水質はチェックしましたが水草水槽で問題無く使えますよ!


先程からちらほらバックを青にして写真を撮って試していますが、今回のバックは青にすることにしました。
青いアクリル板を水槽裏にセロテープで貼っています。
撮影時はこちらの後ろからストロボを当てることで「青のグラデーション」にします。
完成形が見えてきたあたりで撮影時のバックの色を考えるようにしています。
貼るタイプのバックスクリーンと違って簡単に付け替えれるのが「アクリル板」の長所です。
色別に用意しておくと撮影時に便利です。
私ははざいやさんでサイズを指定して頼むことが多いですよ。
参考 アクリル板各種はざいや

- オデッサバルブ
- アフリカンランプアイ
撮影に備えて魚を入れます。
今回はこちらの2種類にしました。
結果から言うともう少し数を入れれば良かった。。反省点です。
撮影直前に入れても魚の色が出ないので余裕を持って魚は泳がせましょう。
ストック水槽をお持ちの方はそちらで仕上げてから移動しても良いですよ。


最後のトリミングをしました。
あとは適度に伸びたら撮影です。
- 撮影機材を揃える
- 撮影技術を磨く
- 撮影のストレス
上記のことから解放されたいので撮影はプロに依頼しています(有料)。
そして何よりも重要なのが「写真のクオリティーが段違いだ」ということです。
それはもう順位が変わるくらい違います。
皆さんもこれだ!という作品が出来たら依頼してみたらいかがでしょうか?
私はいつも仕事でお世話になっている月刊アクアライフ専属カメラマンさんにお願いしています。
プロカメラマンはたくさんいますが、レイアウト水槽を撮り慣れているプロの方はそういないと思います。
値段は張りますがいつも頼んでよかったと思えるクオリティーの写真になりますよ。
参考 月刊アクアライフMPJ

これで完成です。
1月に水を張って5月に撮影をしました。
有茎草は成長が速いので、どんどん水景ができ上がって見ていて楽しいですね。
水槽 | 120cm×60cm×60cm |
ろ過 | エーハイム2217 1台 2215 1台 底面フィルター直結 |
ライト | ADA ソーラーRGB 2台 12時間点灯 |
CO2 | 自作ミキサーにて1秒/4滴 |
底床 | ソイル:プラチナソイル化粧砂:エクストラホワイトサンド |
素材 | 乱形石、アンバークォーツ |
肥料 | オリジナル肥料をほぼ毎日 |
- 換水
- トリミング
- フィルターの掃除
- 点灯時間
- CO2添加量
- 立ち上げ時:週/1回50%
- 1か月~:2週/1回50%
ちょっと思うところがあって、最近はあんまり換水をしないで管理するようにしています。
水換/少、水換/多、両方の管理をしたら換水のメリット、デメリットが見えてきました。
水草レイアウトは水換えが一番!と言われていますが、どうやら時と場合によるようです。
今現在の私の思うところをこちらでまとめましたので興味のある方はぜひご覧ください。
- 2週間に1度バッサリ切る
- 3~4日に1回微調整
このようなルーチンでやっていました。
撮影2週間前くらいからは毎日手を入れて微調整してました。
日頃からルーチンを守ってトリミングしていると、狙ったタイミングで茂みサイズをコントロールできるようになりますよ。



この辺りは経験が必要なので、日頃からガンガントリミングして感覚を掴みましょう。
制作期間中は1度も掃除しませんでした。
私はマメにフィルターを洗う方ではありません。
その方が調子が良いので(笑)。
マメに洗ってしまうといつまで経っても生物ろ過が成熟しないですよ。
12時間点灯です。
水草をキレイに育てるために長めに設定しています。
今回は制作期間中、点灯時間は変えませんでした。
特に赤系水草は長い時間ライトを当てた方が発色が良いのでおすすめなのですが藻類には注意しましょう。
もし長時間点灯するならコツは最初から12時間点灯することです。
12時間点灯するということを前提としてバランスを取るとあまり藻類に悩まされないと思います。
ミキサーにて1秒/4滴入れています。
制作期間中はだいたいこれくらいを添加していました。
添加量が足りず水草がキレイに育っていないという方は結構多いので添加量には気をつけましょう。
- 水温 28℃
- pH 6.0~6.5
- GH 3以下
- TDS 50~150ppm
12月に立ち上げたので28℃くらいの高めに設定していました。
ろ過バクテリアや水草の活性を高くして立ち上げが早く済むようにするためです。
夏場なら26℃で立ち上げたと思います。
水草水槽は特に底床内の水温が重要なので、冬場はちょっと高めの水温にすると良いですよ。
私が作る水草水槽は大体この範囲に納めるようにしています。
CO2の効果、肥料効率等を考えるとpHは5.5~6.5の間に収めると良いです。
あんまり下げるのも大変なので、6.0~6.5くらいで管理するようにしていますよ。
一部の水草を除いて3以下にしておけば大体OKです。
もっとGHが高くても全然水草は大丈夫なんですが、GHが高いとpHがアルカリよりになったりと他の部分で不具合が出てくるので低くキープしたほうが良いですよ。
要は水の中に電気を通すものがどれだけあるかということを数値にしたものです。
水草水槽を作るうえで、どう役立てるかあんまり分かっていないのですがとりあえずデータを取ることにしました。
制作期間中は表の数値に収まっていましたよ。
導電率は水の中にどんなものがあるかまでは分からないので、あくまで参考数値ですが、、、